BTTB(ビーティーティービー)とは、1998年11月30日に発表された坂本龍一のオリジナルアルバム。
解説[]
タイトルは「Back To The Basic」(原点回帰)の略で、坂本自身初のピアノアルバムである。坂本が影響を受けたモーリス・ラヴェルやエリック・サティの雰囲気がアルバム全体に出ている。
1998年 11月30日にリリースされた初回限定版ではCDの他、楽譜と共に、坂本自身が演奏したMIDIデータを収録したフロッピーディスクが同梱されている。
1999年2月24日にリリースされた通常版にはボーナストラックとして、映画Snake Eyesのテーマ、およびYMOの「Tong Poo」が納められている。
その後「インターナショナル版」がリリースされ、初期出荷版から数曲が除外され、シングル『ウラBTTB』収録の3曲と、初CD化された「Reversing」が収録された。
収録曲[]
通常盤[]
- Opus
- 作曲:坂本龍一
- タイトルは「オペラ(Opera)」(作品)の単数形。この曲は坂本が日本で車を運転しているときに思い浮んだ。エリック・サティの「ジムノペディ」の雰囲気がある。
- Sonatine
- 作曲:坂本龍一
- ラベルが「ソナチネ」を作った気持ちのように作った曲。途中、和音とメロディがぶつかるところがサティ的。アルバムの中でもっともスピードがあり、最後は華やかな終わり方をする。
- Intermezzo
- 作曲:坂本龍一
- ブラームスの「インテルメッツォ」をイメージさせるロマン派風の曲。ブラームスを真似たわけではなく、雰囲気を似せている。中間部のアルペジオは単なるアルペジオではなく、その中にメロディを形成する音を隠すという工夫がされている。
- Lorenz and Watson
- 作曲:坂本龍一
- なんとなくピアノを弾いているときに生まれた曲でサティ的な雰囲気がある。コードにはブルーノートが使われている。
- Choral No.1
- 作曲:坂本龍一
- 1999年に行われた坂本のオペラの練習で作った曲。
- Choral No.2
- 作曲:坂本龍一
- 「Choral No.1」と同じく、オペラの練習のために作った曲。バッハの「マタイ受難曲」のような曲を作りたかったが、結局さらに中世の感じになったとのこと。フーガ(カノン)になっている。
- Do Bacteria Sleep?
- 作曲:坂本龍一
- モンゴルの楽器「口琴(こうきん)」を使った曲。青山のスパイラル・カフェで自身が購入したらしい。
- Bachata
- 作曲:坂本龍一
- タイトルの「バチャータ」はラテンアメリカの音楽形式の名前。坂本はラベルの「ボレロ」のつもりで作った。左手は同じパターンが延々と続き、右手はアドリブ的に演奏されている。曲としてはラテン的ではなく、ハーモニーがラベル的である。
- Chanson
- 作曲:坂本龍一
- サティがお金を稼ぐために働いていたパリのバーで流れている曲をイメージして作った曲。
- Distant Echo
- 作曲:坂本龍一
- 坂本風「環境音楽」。本人は「ピアノの音色そのもの」を楽しんでほしいと思っている。
- Prelude
- 作曲:坂本龍一
- プリペアド・ピアノを使った曲。
- Sonata
- 作曲:坂本龍一
- プリペアド・ピアノを使ったガムラン風の曲。
- Uetax
- 作曲:坂本龍一
- 水の中の音。タイトル「ウエタックス」は使用した水中マイクの製造会社名。
- Aqua
- 作曲:坂本龍一
- 娘の坂本美雨のために作った曲のピアノバージョン。美雨の声がヒーリング的な要素が強いことから、意識的にニューエイジ系の曲となった。坂本が作曲した中では1、2を争うほどシンプルで、メジャーコード(ソ、シ、レ)で始まる点も珍しい。アルバム『/05』に再収録されている。
- Snake Eyes
- 作曲:坂本龍一
- 通常版のボーナストラック。映画「Snake Eyes」のテーマ。
- Tong Poo
- 作曲:坂本龍一
- 通常版のボーナストラック。このアルバム唯一の連弾。初出はYMOのアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』。意外と思われるが、同曲が坂本のオリジナルアルバムに収録されるのは初のこと。今回の録音では譜面を起こさず、最初に下のパートをコンピュータに記憶させ、それを再生させて上のパートを演奏した(坂本いわく「一人連弾」)。
インターナショナル盤[]
- Energy Flow
- Put Your Hands Up
- Railroad Man
- Opus
- Sonatine
- Intermezzo
- Lorenz and Watson
- Choral No. 1
- Choral No. 2
- Bachata
- Chanson
- Prelude
- Uetax
- Aqua
- Tong Poo
- Reversing
- 作曲:坂本龍一
- インターナショナル版のみのボーナストラック。ベスト・アルバム『US』に納めたかった曲であったが収録時間の関係でカットされたが、アルバム『/05』に再収録された。
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