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パブリック・プレッシャー/公的抑圧』(Alfa ALR-6033)は、イエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)の3作目のアルバムであり、初のライブアルバム。1980年2月21日アルファレコードよりリリースされた。

解説

  • ライヴ演奏は、第1回ワールドツアーのヴェニュー(ロンドン)、グリーク・シアター(ロサンゼルス)、ボトムライン(ニューヨーク)の三公演が編集、収録されている。
  • 本アルバムは、YMO初のオリコンチャート1位を獲得した。
  • 初回プレスはクリアーレコード仕様(ホワイト)であった。
  • アルバムのタイトルはクリス・モスデルによるもの。YMOメンバーからタイトルの注文が来たとき、とっさに思い浮かんだもので、当時人気が出始めていたYMOにプレッシャーがかかり始めていた状況にヒントを得ている。

ギターのカットに関して

  • 同ツアーのサポート・ギタリストは渡辺香津美であったが、渡辺が所属していた日本コロムビアはその収録を拒否したため、ギターのチャンネルは坂本龍一シンセサイザーに置き換えられた(よく聞くとドラムマイクにギターの音が入っていることを確認できる)。また高橋のボーカルパートなども多数再収録され、実質は半スタジオアルバムであるとの考え方も多い。坂本の録音は2~3日で終了している。
  • 渡辺のギターが収録されず、かなりエディットされたため、「ライブアルバム」としては一時期あまり評価が高くなかったが、「あえてテクノだ」という意見も多く現在でも大変人気の高いアルバムである。
  • 後に発表されたライブアルバム『フェイカー・ホリック』『ライブ・アット・グリークシアター1979』等では渡辺のギターが収録され、その違いを聞き比べることができる。
  • YMOの音楽にはそもそもギターが不要という認識がメンバーの三人はあったが、ライブでアルバム収録を演奏すると、リスナーが飽きる、シンセサイザーでソロを弾いてもダサいといった理由からギタリストを入れざるを得ない状況だった。
  • ギターの入っているバージョンでは、メンバーの演奏力を堪能できるが、当時のフュージョン(坂本によるとジャズ)のジャンル内に収まっている印象が強い。むしろ、ギターパートのカットは純粋なライブともスタジオ録音とも違う特異な質感を持つ独特のアルバムになったという「怪我の功名」と言える。坂本もこのアルバムを通してYMOの姿が明確になったと発言している[1]
  • 空間を広げさせるリバーヴ処理(特に低音部)により楽器数の少なさを感じさせない。アルバム発売前に、同ツアーのライヴがFMで放送されたが、このアルバムを聞いて、あまりのスケール感の違いに仰天した体験談が多い。

曲目

  1. ライディーン Rydeen
    オリジナルはアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』収録。
  2. ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー Solid State Survivor
    オリジナルはアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』収録。
  3. 東風 Tong Poo
    オリジナルはアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』収録。
  4. ジ・エンド・オブ・エイジア The End Of Asia
    オリジナルはアルバム『増殖』に収録されているが、アレンジとしては坂本龍一のソロアルバム『千のナイフ』に収録されているヴァージョンに近い。
  5. コズミック・サーフィン Cosmic Surfin
    オリジナルはアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』収録。細野のコメントによれば、オリジナルアルバム収録よりも、このライヴでの演奏がより完成形であるとのこと。
  6. デイ・トリッパー Day Tripper
    オリジナルはアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』収録。
  7. ラジオ・ジャンク Radio Junk
    オリジナルはシーナ&ザ・ロケッツのアルバム『真空パック』収録。
  8. 中国女 La Femme Chinoise
    オリジナルはアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』収録。
  9. バック・イン・トキオ Back In Tokio ( Music by YMO )
    1979年12月19日中野サンプラザで行われた凱旋公演でのMC。「ビハインド・ザ・マスク」の演奏が始まるところでフェードアウトして終わる。

参加ミュージシャン

こぼれ話

YMOの完全コピーをすることで知られているグループ「Yセツ王」はこのアルバムを完全に再現したアルバム「PUBLIC PUSSY(公的膣圧)」を発表している。

出典

  1. Yellow Magic Orchestra(2007年、アスペクト)
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